錦糸卵と、スカートのひだは、綺麗に、細かければ細かいほどいい。(タイトルキモ回ごめんだけど内容真剣です)

錦糸卵と、スカートのひだは、綺麗に、細かければ細かいほどいい。(タイトルキモ回ごめんだけど内容真剣です)

2026年3月24日21分
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出演
もしもし五島列島
もしもし五島列島パーソナリティ島育ち・祖母っ子のイラストレーター。「もしもし五島列島」店主としても活動中。食への愛が異常に強く、ステーキの脂身を「口内滞在型アトラクション」と呼ぶ熱量で食人生を語る。

あんぱんの美味しさは、あの白ごまに100%込められていると、私は本気で思っている。

薄皮粒あんぱんは別の話だ。あれはもう完成された球体なので議論の余地はない。

私が言っているのは、昔ながらの、ちょっと乾いた表面のあんぱんの話だ。

上に、白ごまが、ポン、ポン、ポン、と10粒くらい。

多すぎない。

少なすぎない。

絶妙に「責任を負わされている数」だけ乗っている。

あれを、最後まで残しておく。

絶対に先に食べない。

あんぱんを食べ進めていくと、最後に、ごまの地層(あんぱんの中心部分)に到達する。

そこだけ、あんこのおいしさが明らかに違う。

同じあんこなのに、

同じパンなのに、

なぜか、そこだけ、信じられないくらい美味しい。

きっと、あそこに全部込めているんだと思う。

パン職人の気合とか、人生とか、祈りとか。

ざるそばの刻み海苔もそう。

中心で、湿気を吸って、

世界一居心地が悪そうに固まっている。(パセリも)

あの、黒い密集地帯。

あそこを、最後に、そばと一緒に流し込む。

ラーメンの海苔もそうだ。

最後の一口の麺を、海苔で巻いて食べる。

あの瞬間のために、ラーメンを食べていると言ってもいい。

のり系を最後に食べるせいで、

結果、私は、いつも歯に何かついている。

人生の大事な部分を最後に回収しようとする人間は、

だいたい歯に何かついている。

私を救ってくれた錦糸卵の話

北海道の朝食バイキング。

2700円。

震えながら会場に行った。

前日の夜ご飯の誘いを断って、抜いて、

スクワットまでして、

胃を空にして、

完璧な状態で臨んだ。

なのに、刺身は、冷凍だった。

少しシャリッとしていた。しょっぱかった。

世界が、静かに終わった。

そのとき、錦糸卵だけが、味を持っていなかった。

味を持っていないことが、救いだった。

しょっぱくない。

主張しない。

ただ、うつくしいぴしっとしたひだで、そこにいる。

錦糸卵が、私の絶望を中和してくれた。

あれ以来、錦糸卵は、私の中で、

主役になった。

多分、私は、少ないものを信じている。

量が少ないもの。

上に、少しだけ乗っているもの。

最後まで残ってしまうもの。

それらはきっと、

「本当の部分」なんじゃないかと思っている。

そして今日も私は、

歯に海苔をつけたままずっとしゃべってる。

食い意地ラジオ のエピソードです。番組トップページへ